お金に対する不安はいろいろありますが、その1つは「老後に年金だけで暮らせるか」という問題があります。
昨今では「老後2000万円問題」が話題となり、年金のマイナス改定も続く中、若い方の中にも「老後に対する不安」を抱える方は多いものです。
そこで今回は、年金の中でも「厚生年金」と「国民年金」に分け、さらに都道府県別・年齢別に細分化して確認することで、年金受給の実態に迫りたいと思います。
不安は「よくわからない」状態によって増幅されがちです。年金の実態をクリアにすることで、課題を洗い出してみましょう。
【注目記事】「年金」本当はみんな月平均いくらもらっているのか。厚生年金と国民年金ごとに確認
1. 会社員がもらう「厚生年金」はいくらか
まずは厚生年金について見ていきましょう。
厚生年金は年金制度の2階部分に位置する年金で、会社員や公務員であった方が加入しています。
そんな厚生年金の平均月額は、厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金・国民年金事業の概況」によると次のとおりとなっています。
1.1 厚生年金(第1号)の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
全体での平均は14万4366円ですが、男女ごとに見ると約6万円もの差があります。
厚生年金の場合、その受給額は納めた保険料と加入期間で決まります。保険料は報酬比例制で納めるという性質上、「給与が高かった人ほど年金も高くなる」傾向にあります。
そのため個人差が開きやすく、特に今年金を受給する世代では男女格差も大きいというのが現状です。