厚生年金と国民年金の決まり方
都道府県によって受給額に差が出るかどうかは、それぞれの受給額の決定方法に影響されます。
厚生年金の受給額
厚生年金とは公務員や会社員が加入する被用者年金で、報酬によって保険料が決まります。受給額は
平成15年3月以前=平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月以前の月数
平成15年4月以後=平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の月数
で決まります。報酬の額や加入期間に左右されることが見て取れますね。都道府県によって賃金の水準は異なるため、年金の受給額にも差が出ていることが考えられます。
国民年金の受給額
一方、国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満のすべての方が加入する年金です。保険料はどんな人でも同じ(一律)です。
受給できる金額は以下の計算式で求められます。
77万7800円×保険料納付済月数÷480ヵ月(40年)
※2022年度の場合
免除期間がある場合は計算方法が変わるものの、「満額から未納期間を差し引いた分が受け取れる」というイメージですね。
こう考えると、よほどの未納期間がない限り個人や地域の差が生まれないことにもうなずけます。
「都道府県ごと」年金受給額のまとめ
都道府県ごとの年金受給額について、厚生年金と国民年金にわけて見ていきました。より地域差が顕著に現れたのは「厚生年金」です。
現役時代の報酬や加入期間が影響するため、個人差が大きいのが実情です。
年金については平均額なども公表されていますが、「自分の場合の目安」を知ることが何よりも重要です。
毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」にはしっかり目を通しているでしょうか。そのほか「ねんきんネット」にログインすることで、見込額を把握することも可能です。
老後資金を正しく準備するためにも、まずは年金受給額の目安額を知っておきたいですね。
参考資料
太田 彩子