その貯蓄額で老後は乗り切れるか
また、子どもが独立したあとは、自分自身の退職後の老後資金について考えていく必要があります。2019年に金融庁のレポートが示した「老後資金2000万円問題」を意識した場合はどうでしょう。
たとえば「40代後半に貯蓄1000万円を持っていた」としても、安心した老後の生活が送れるかどうかはかなり怪しいところです。
会社員や公務員の方は「定年退職金」も含めて、老後の資金計画を立てていらっしゃるかもしれませんね。しかし、昨今の退職事情は厳しいものとなっています。同レポートでは、1997年には3203万円だった平均退職給付額(全規模)が、2017年には1997万円まで下がっていることが報告されています。
20年間で1200万円程度も減額していることを踏まえると、今後の退職金事情は、さらに厳しいものになっていく可能性があります。
長引くコロナ禍で、私たちの「仕事」や「生活」を取り巻く環境の予測は誰にもできません。今現在の「年収」だけにとらわれず、予想外のアクシデントに耐えうるマネープランを検討しておきましょう。
参考資料
齊藤 慧