JTの株価はどのように推移したのか
JTの株価は2022年3月14日に、終値で2000円をつけました。
この2000円という値段は、実に1年ぶりの安値水準となります。
2021年12月30日の終値である2322.5円と比較すると、13.9%の下落となります。
足元ではいくらか持ち直し、2022年4月4日の終値で2136円でした。
JTの株価はなぜ1年ぶりの安値まで下落したのか
株価下落を引き起こした大きな要因は、「株主優待制度の廃止決定」です。
JTは2022年2月14日、株主への公平な利益還元のあり方という観点から慎重に検討を重ねた結果、配当などによる利益還元に集約することとし、株主優待制度を廃止すると発表しました。
JTはこれまで優待として、株式100株(1単元)以上を1年以上継続保有している株主に対し、以下相当額の商品を提供してきました。
- 100株以上200株未満保有の株主:2500円相当
- 200株以上1000株未満保有の株主:4500円相当
- 1000株以上2000株未満保有の株主:7000円相当
- 2000株以上保有の株主:13500円相当
投資家の中には、優待が目的でJTの株式を購入していた人もいるのではないでしょうか。
そういった投資家が嫌気することで、株式市場で売りが出た可能性は高そうです。
ただ、会社の説明にある通り、利益還元における株主間の公平さが高まることも期待できるので、必ずしもネガティブな材料とは言えないかもしれません。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03