2022年3月、約4000万人の年金受給者を対象に一人あたり5000円の臨時給付をおこなう案が浮上していることが話題となりました。
公的年金の支給額は賃金水準と連動しているのですが、新型コロナの影響をうけ日本全体でみた賃金は低下しています。
これにより2022年度の年金支給額は0.4%引き下げられることが決定し、収入が低下する高齢者を支援する名目となっています。
とはいえ、0.4%の引き下げでは生活に大きな支障はないようにも思えます。
一体、現在の年金受給額はどのようになっているのか検証してみましょう。
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厚生年金の落とし穴「平均受給額=もっとも“受け取っている人が多い金額”ではない」
「平均」ときくと、「それに該当するのが普通」といった印象を受けますよね。
ところが平均値には、極端に大きかったり小さかったりする一部の数値に全体が引っ張られるという落とし穴があります。
そのため、一般的に使用されることが多い平均値では大衆の実感が伴わないという事が起きてしまいます。
そこで今回は厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、平均受給額と実際の受給者が多い年金月額ゾーンをみていきましょう。
■厚生年金の平均受給額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
現在の厚生年金の受給額は「月額14万円」だといわれていますが、全体・男性・女性の区分でも平均は大きく変わることがわかります。
安易に「年金は14万円くらいもらえるらしい」と捉えるのは危険かもしれません。