若い世代でも関心の高い「老後資金」対策が必要に
アンケート結果から、若い世代でも「老後の不安」が高いことがわかりました。
しかし、実際の60代でも2000万円の老後資金を用意できているのは32.9%です。
老後資金はできれば50代までには貯めておきたいところ。逆に言えば、早めに対策するほうが有利といえます。
「将来」と同じように大切なのが「今の生活」です。今の楽しみを削ってまで「老後資金」を貯めるのは、何とも寂しいものです。
老後資金についてはいろいろな報道で不安視されていますが、大切なのは「コツコツ準備すること」です。スタートが早ければ早いほど積立額は少額で済むため、今の生活を犠牲にする必要もなくなります。
「老後資金」の金額はまだまだわからない
また大事なのは、「今の時点で老後資金を正確に試算するのは難しい」ということ。例えば先ほどの「老後2000万円問題」は、特定の年度の「標準年金額」と「消費支出額」から試算されています。
年金の額は毎年改定されますし、支出額も数十年先を見越すのは不可能ですよね。
例えば50歳を過ぎればある程度の目安がつきやすくなります。
ねんきん定期便でも50歳以上は見込額が記載されるので、シミュレーションがしやすくなるでしょう。
そのときにある程度の資金があれば、それをもとに目標額に向けて調整しやすくなります。
「将来がわからないから何も準備しない」のではなく、「わからないからこそ備える」ことが必要です。
もちろん将来に対して必要以上の不安を抱く必要はありません。不安に感じた気持ちを貯蓄のモチベーションに換え、「安心するため」に資産形成をすると考えてみてはいかがでしょうか。
スタートが遅いほどに、不安は大きくなり積立額も多額になります。できるだけ早く、準備を始めておきたいですね。
参考資料
- ライフネット生命保険「成年年齢引き下げに関する調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)各種分類別データ」
- 金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料
太田 彩子