年収600万円の手取りと貯蓄はどれくらいか
実際の生活ぶりを確認するために、手取りや貯蓄・負債事情も紐解いていきましょう。
まずは先ほどの国税庁の「第3表 給与階級別の総括表」より、年収600万円台の手取りを計算します。
- 平均年齢:46.6歳
- 平均勤続年数:17.7年
- 平均給料・手当:524万円
- 平均賞与:122万8000円
- 平均給与(年収):646万8000円
平均年齢は40代後半で、平均年収は約646万円です。
月の額面給与は約43.6万円。社会保険料や税金等を抜いた月の手取りは、個人差がありますが33万円ほどと考えられるでしょう。手取りで月30万円以上あれば、家族がいてもある程度貯蓄できるご家庭が多いかもしれません。
年収600万円台の貯蓄や負債など、家計事情はどうでしょうか。総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年7~9月期 平均結果-(二人以上の世帯・勤労者世帯)」より、年収600~650万円の勤労世帯を確認します。
年収600万~650万円世帯のすがた
- 世帯主の平均年齢:48.1歳
- 世帯人数の平均:3.26人
- うち18歳未満の世帯人員:1.04人
- 世帯主の配偶者のうち女性の有業率:58.4%
- 持家率:74.9%
年収600万~650万円世帯の貯蓄・負債
- 平均年収:622万円
- 平均貯蓄額:1128万円
- 平均負債額:792万円(うち「住宅・土地のための負債」:730万円)
純貯蓄:1128万円-792万円=336万円
貯蓄額は1000万円を超えていることがわかりました。しかし、その一方で平均負債額は792万円。そのうち730万円が住宅ローンのようです。
貯蓄から負債を引いた純貯蓄額(ほんとうの貯蓄)は336万円となりました。単純計算すると半年分の収入程度となります。この金額に、やや心もとない印象を受けた方も少なくないでしょう。
またこれらのデータから、2点読み取れるものがありました。
まず1点目が、約半数が「共働き世帯」であること。単身ではなく、2人で働くことで収入を維持している世帯も多いようです。
2点目は、大学などへの進学を控えたお子様がいる世帯が多い、ということ。世帯主の平均年齢は48.1歳。かつ、家族の中に18歳未満の人が1名ほどいることが分かります。
自宅外通学や医歯薬学系学部などを選んだ場合は、この先も高額な子育て費用が必要となることも考えられるでしょう。