厚生年金の受給額は、現役時代の年収や厚生年金保険への加入期間などにより、一人ひとり異なります。
厚生労働省によると、女性の厚生年金受給額は平均11万円台とされており、受給者の約38%が「月額10万円未満」という厳しい状況にあります。
一方で、「月額20万円以上」という高額な年金を受給できる女性は、全体のほんの一握りという状況です。
現在のシニア女性の、リアルな厚生年金受給額について確認していきましょう。
1. 【女性の厚生年金】平均年金月額は11万円台「男性より月5.8万円少ない」
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、女性の厚生年金受給額は、平均11万1413円です。なお、この金額には国民年金分も含まれています。
【厚生年金受給額(月額)】
- 全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
厚生年金受給者全体の平均は15万289円で、男性の平均受給額は16万9967円です。女性の平均受給額は全体よりも約3万8000円、男性よりも約5万8000円少ない状況です。
この差は、厚生年金保険への加入期間や現役時代の収入が関係しています。
厚生年金は、加入期間が長いほど、また、現役時代の年収が高いほど受給額が高額になるのが一般的です。現在年金を受給している世代の女性は、結婚後は家庭に入ることが多く、専業主婦や、働いていても扶養の範囲内に収めている方が多い傾向にあります。
そのため、男性よりも厚生年金への加入期間が短くなり、収入も少ないケースが多いことから、厚生年金受給額も少額になると考えられます。
2. 【厚生年金の受給額一覧】みんなの厚生年金はいくら?20万円以上はほんの一握り?
女性の厚生年金の平均額は約11万円ということがわかりましたが、実際には「1万円未満」の方もいれば「30万円以上」という方もいます。
そこで、厚生年金受給額ごとの受給者数を1万円きざみで一覧表にまとめてみました。合わせて、月額20万円以上を受給している方はどのくらいいるのかも確認してみましょう。
2.1 厚生年金受給額ごとの人数を1万円刻みでチェック
厚生年金受給額ごとの受給者数は以下の通りです。
- 1万円未満:1万2953人
- 1万円以上2万円未満:3880人
- 2万円以上3万円未満:2万9993人
- 3万円以上4万円未満:6万3025人
- 4万円以上5万円未満:6万1945人
- 5万円以上6万円未満:6万9313人
- 6万円以上7万円未満:18万892人
- 7万円以上8万円未満:34万8764人
- 8万円以上9万円未満:54万1901人
- 9万円以上10万円未満:75万1358人
- 10万円以上11万円未満:81万3990人
- 11万円以上12万円未満:69万5128人
- 12万円以上13万円未満:52万2466人
- 13万円以上14万円未満:37万4169人
- 14万円以上15万円未満:27万1489人
- 15万円以上16万円未満:20万322人
- 16万円以上17万円未満:14万7604人
- 17万円以上18万円未満:10万5489人
- 18万円以上19万円未満:7万1561人
- 19万円以上20万円未満:4万8617人
- 20万円以上21万円未満:3万3387人
- 21万円以上22万円未満:2万1931人
- 22万円以上23万円未満:1万4116人
- 23万円以上24万円未満:8813人
- 24万円以上25万円未満:5491人
- 25万円以上26万円未満:3233人
- 26万円以上27万円未満:1811人
- 27万円以上28万円未満:927人
- 28万円以上29万円未満:479人
- 29万円以上30万円未満:223人
- 30万円以上:482人
9万円以上12万円未満にボリュームゾーンが見られ、平均受給額の約11万円と一致していることがわかります。
2.2 約38%の女性は月額10万円未満
上記一覧表より、厚生年金を受給している女性の約38%が、月額10万円未満という状況です。
夫婦の場合、夫の年金を合計すれば生活費の確保は難しくないと考えられますが、おひとりさまの場合や離婚する場合などは、生活費の不足が懸念されます。
また、夫婦であっても夫が亡くなってしまった場合、要件を満たしていれば遺族年金が支給されますが、世帯収入が大きく減少する可能性があります。
2.3 月額20万円以上受給しているのはわずか約1.7%
同じく一覧表より、厚生年金を月額20万円以上受給できている女性は、厚生年金受給者全体のわずか約1.7%です。100人中1〜2人という割合になります。
一方、男性で月額20万円以上受給している方は、受給者全体の約27%となっており、3〜4人に1人の割合で存在することになります。
女性で月額20万円以上受給するには、現役時代に男性並みの年収や加入期間がある必要があり、現在の年金受給世代ではかなり高いハードルといえるでしょう。
3. 現役女性が厚生年金受給額を増やすためにできること
現在、年金を受給しているシニア世代の女性は、男性と比較して受給額が低い傾向があることがわかりました。こういった状況を踏まえ、現役の女性が今からできる厚生年金を増やすためにできる方法を2つご紹介します。
3.1 厚生年金の加入期間を長くする
厚生年金保険への加入期間が長いほど、受給額は高額になるのが一般的です。現在、夫の扶養の範囲内で働いている場合は、扶養を抜けて自分で厚生年金保険に加入すると、加入期間が長くなりその分受給額も増やすことが期待できます。
3.2 年収を増やす
年収を増やすことは簡単なことではありませんが、資格を取得するなどスキルアップをして昇給を狙う方法があります。また、より良い待遇の職場に転職するのも一つの方法です。
4. おわりに
女性の厚生年金受給額の平均は約11%とされており、1人の年金では老後の生活費を確保するのが難しい状況です。
自分が将来受け取る年金額に不安がある現役世代の女性は、今のうちからできる対策を取ることを検討してみましょう。厚生年金保険への加入期間を長くしたり、収入アップを図ったりするほかにも、計画的に老後資金の貯蓄も検討すると良いでしょう。
参考資料
木内 菜穂子