労働基準法は、多くの働く人にとって重要ではあるものの、意外とその中身をしっかり理解している人は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、労働基準法の中でも特に重要な労働時間の規制について解説していきます。また、割増賃金や時間外労働に対する賃金請求の2つの方法についても紹介します。

労働基準法とは

労働基準法とは、労働者と使用者との間の最低限の労働条件を定めるものです。最低限の労働条件を定めるものであるため、労働基準法が定める労働条件に達しない労働条件を労使間で定めても無効となり、労働基準法が定める労働条件が適用されることとなります(労働基準法第13条)。

1週間40時間・1日8時間の原則

多くの労働者にとって非常に関りが深い労働基準法上の規定の一つに、労働時間規制(労働基準法第32条~第41条)があります。

使用者は、原則、労働者に、1週間に40時間を超えて働かせてはならず、また、1日については8時間を超えて働かせてはいけないこととなっています(労働基準法第32条1項・2項)。