三六協定
1週間40時間・1日8時間の原則が適用されつつ、延長して労働させることができる(残業させることができる)制度として、労働者の過半数で組織する労働組合(それがない場合は労働者の過半数を代表する者)との間で締結し行政官庁に届け出る三六協定(労働基準法第36条)があります。
三六協定により、使用者は、労働者に対し原則月45時間・年360時間を限度(労働基準法第36条4項)として、残業を命じることができることとなります。
1週間40時間・1日8時間を超える場合の割増賃金はいくらか
⑴ 原則
使用者が労働者に対し、1週間40時間・1日8時間を超える労働をさせた場合、通常の賃金を支払わなければならないことはもちろん、その2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります(労働基準法第37条1項)。
また、かかる時間外労働が深夜(午後10時~翌午前5時)にわたる場合は、深夜に働かせた時間についてはさらに2割5分が上乗せされ、5割の割増賃金を支払う必要があります(労働基準法37条4項)。
⑵ 例外
上述した管理監督者や月又は年単位の変形労働制、フレックスタイム制、裁量労働制が有効に適用されている場合は割増賃金は発生しません。もっとも、各制度には厳格な有効要件が定められており、有効要件を欠いたまま支払うべき割増賃金が支払われていない場合がありますので、注意が必要です。