年収の違いが将来の年金額に影響することも

年収について考えるときには今の生活ばかり考えてしまいますが、余裕ができたら考えたいのが将来の年金です。

会社員や公務員などが加入する「厚生年金」は、加入月数や収入に応じて納めた保険料により、将来の受給額が変わります。厚生年金の場合、今の収入が将来の年金額に影響する面もあります。

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、今のシニア世代の厚生年金の平均月額は以下の通り。

厚生年金の平均月額

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

受給分布図をみてみると、1万円未満から30万円以上までバラつきがあります。

出典:厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

男性のボリュームゾーンはひと月15~20万円、女性は7~12万円。収入が少なければ、将来の厚生年金額も少なめになる可能性があります。

その場合、私的年金や貯蓄など、他の方法で備える必要があるでしょう。その必要性については、早いうちから気づいて対策をとっておきたいものです。

すぐに年収を上げることは難しいですが、日本の平均年収や将来の年金額を知ることで、現状を省みるきっかけになります。年収、さらには働き方や老後について、これを機に考えてみましょう。

参考資料

宮野 茉莉子