「老後資金は2000万円」の真偽
ここで老後は2000万円が必要になると言われることになった、「老後2000万円問題」についておさらいしましょう。
根拠となった金融審議会の「市場ワーキング・グループ」では、2000万円の内訳は下記のとおりとなっています。
- 高齢夫婦の無職世帯
- 実収入は20万9198円
- 実支出は26万3718円
- 老後を30年続くと想定
この結果、月々の赤字が30年続くことで、約2000万円が必要になるとされたのです。
この計算根拠をみて、どのような印象を持たれるでしょうか。
老後の生活費に26万円もかからないと思った方や、年金で20万円ももらえないと感じた方など、様々だと思います。
またこちらの支出には2017年の家計調査が使われていますが、内訳を確認すると住居費用が1万円台になっています。
実際に賃貸に住んでいる方で、家賃が1万円台の方はほとんどいないでしょう。
調査対象に持ち家の方が含まれるため、平均値が0円に引っ張られたと考えられます。
今後も賃貸に住む方は、家賃分を上乗せして考える必要があります。また介護状態になったときを想定して、介護費用も上乗せできればさらに安心です。
生命保険文化センターによると、月々の介護費用は月額平均8.3万円。また介護期間の平均は5年1カ月となっています。
介護の始まりにかかるとされる一時金74万円も足し合わせると、単純計算で約580万円にものぼります。
夫婦2人なると1000万円を超えるということに。
全員が同じ介護プランで過ごすわけではないので、実際には個人差が出るでしょう。しかし、今後の長寿社会を考えると介護費用を見過ごすわけにはいきません。