世の中には悲観論が多いので要注意

世の中には、悲観的な事を言いたがる人が大勢います。評論家は「大丈夫です。」と言うより「問題です。心配です。」と言う方が賢そうに見えますし、客の関心を惹き易いでしょう。

マスコミも、楽観的な言い方よりも悲観的な言い方をする方が視聴率や売り上げが伸びるでしょうから、悲観的な事を報道したがります。

海外出張した日本人が、ホテル代が高くて苦労した話を聞くと、「日本人ビジネスマンは海外出張しても三流ホテルしか泊まれない」などと書きたがるマスコミは多いのですが、「海外で三流ホテルに泊まる予算で国内なら一流ホテルに泊まれる。日本は素晴らしい国だ」と書くマスコミは少ないでしょう。

ひと昔前までは、「円高で輸出企業が大変だ」と大合唱していた事を思い出せば、今の円安で輸出企業が大儲けしているかも知れない、と思えるわけですが、そう書いているマスコミは少ないでしょう。

世の中には悲観的な事を言いたがる人が多い、という事を頭の片隅に置いておくだけで、「世の中は、困ったことばかりではないハズだ」と思えるでしょう。

筆者は天邪鬼ですから、円高の時に人々が言っていた事を思い出しています。「円高だから海外旅行に行くと一流ホテルに泊まれる」と書いていたマスコミよりも、「円高なのに国内ホテルが値下げしないから、国内ホテルの方が海外ホテルより遥かに高い。内外価格差は問題だ」と書いていたマスコミの方が遥かに多かったわけです。

それをひっくり返して考えてみれば、今の日本もそれほど困ったものではない、という気がしてくるわけですね。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。

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塚崎 公義