もうすぐ年度末です。
新年度に向けて出費の続く時期。お財布事情が気になる方も多いのではないでしょうか。
目の前の収支ももちろん大切ですが、少し将来について考える機会を持つことも必要です。
特におひとりさま世帯の場合、一人分の年金で暮らしていくのは少し心許ないものでしょう。
2019年に「老後2000万円問題」が話題となりましたが、実際に60代で「貯蓄2000万円」を達成できている世帯はどれくらいいるのでしょうか。
貯蓄計画を立てる第一歩として、60代の貯蓄事情に迫ります。
60代・おひとりさま世帯で「貯蓄2000円」を達成する割合
金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:1305万円
- 中央値:300万円
金融資産保有額ごとの内訳
- 金融資産非保有:29.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:5.0%
- 200~300万円未満:3.3%
- 300~400万円未満:4.8%
- 400~500万円未満:2.9%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:5.2%
- 1000~1500万円未満:7.2%
- 1500~2000万円未満:4.5%
- 2000~3000万円未満:6.7%
- 3000万円以上:13.8%
- 無回答:2.8%
単身世帯では平均が1305万円、中央値が300万円でした。
60代の単身世帯で「貯蓄2000万円」を達成している割合は20.5%です。
5世帯に4世帯は準備できていないという現実がわかりました。
また注目したいのは、平均(1305万円)と中央値(300万円)の乖離です。なぜこのような開きがでるのでしょうか。
平均値とは、全ての値を足して対象の数で割ったものです。そのため、大きな値があれば引っ張られる傾向になります。
それに対して、中央値とは数字を小さい順に一つずつ並べたときに真ん中にくる値のことです。
貯蓄額などを見る場合は、平均値よりも中央値が実態に近いと言えるでしょう。
実際に分布の様子を見ても、3000万円以上を保有する世帯が13.8%もいるため、平均値が引き上げられている様子がわかります。
実態としては金融資産非保有(貯蓄なし)が29.4%、100万円未満が9.1%という厳しい現実が浮き彫りになりました。
それでは「二人以上世帯」は、2000万円をクリアできているものなのでしょうか。
【注目記事】夫が先に亡くなったら、妻がもらえる「遺族厚生年金」の受給額はいくら?
60代・二人以上世帯で「貯蓄2000円」を達成する割合
同じく金融広報中央委員会の「2020年 家計の金融行動に関する世論調査」から、60代のうち「二人以上世帯」の貯蓄額を見ていきましょう。
金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:1745万円
- 中央値:875万円
金融資産保有額ごとの内訳
- 金融資産非保有:18.3%
- 100万円未満:3.5%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:4.0%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:4.0%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:7.5%
- 1000~1500万円未満:7.5%
- 1500~2000万円未満:6.3%
- 2000~3000万円未満:13.3%
- 3000万円以上:19.6%
- 無回答:3.3%
60代の貯蓄は平均1745万円ですが、より実態に近い中央値は875万円でした。
調査の結果から、60代の二人以上世帯で「貯蓄2000万円」を達成する割合は32.9%であることがわかります。
単身世帯の20.5%に比べると、多くの人が備えられている印象です。
一方で、「金融資産非保有」が18.3%、「3000万円以上保有」が19.6%という結果から、貯蓄には二極化傾向がある様子もうかがえます。
そもそも「老後に2000万円必要」の根拠とは?
2000万円の貯蓄を達成している割合を見ていきましたが、そもそも「老後2000万円問題」はどのような数字から算出されたのでしょうか。
ここでは2000万円の試算根拠を整理していきます。
2000万円の根拠となったシミュレーション条件は次の通りです。
- ずっと会社員だった夫とずっと専業主婦だった妻という夫婦
- 実収入(主に年金)は20万9198円
- 実支出(主に食費など)は26万3718円
- 老後は30年続く
これらのシミュレーション条件を見てみていかがでしょうか。
そもそも夫婦2人世帯であることから、おひとりさま世帯ではあてはまりにくい数字になっています。
今の現役世代では、夫婦世帯であっても「ずっと専業主婦」という家庭は少ないかもしれません。働き方が違えば、必然的に目安となる年金受給額も異なるでしょう。
つまり「老後2000万円問題」はすべての人にあてはまる数字ではないということです。
ただし、だからといって2000万円が必要でないというわけではありません。例えば上記の試算条件のうち、支出額である26万3718円に介護費用は含まれていません。
将来の介護費用は、子どもや孫に負わせることなく自分で用意するのが理想です。
こう考えると、2000万円に上乗せした費用が必要になる人も多いと考えられますね。
まとめにかえて
「貯蓄2000万円」を達成する60代は、単身世帯で20.5%、二人以上世帯で32.9%でした。
ただしそもそも「老後2000万円問題」はあくまでも一つの条件下でシミュレーションした一例に過ぎないため、2000万円を基準に考えるのはリスクがあります。
まずは年金の受給額や収支の目安をつかみ、必要となる金額を考えてみましょう。
ライフプランツールなどを使ってみるのも一つですね。
日々のやりくりも大切ですが、老後のお金はできるだけ早くから準備をしておきたいものです。
預貯金に加えて保険や資産運用なども視野に入れて、自分に合う最適な貯蓄方法を見つけてみましょう。



