25年間の円高分が、その後の25年で戻ったことに

グラフを見るとわかるのが、為替レート自体は50年前より大幅に円高になっているけれど、物価上昇率を加味すると50年前と同水準であるということですが、前半25年間と後半25年間で動きが全く異なることも見て取れます。

前半25年間は、急激な円高が進み、物価上昇率格差より円高が早かったので輸出企業が苦労したわけです。その後は物価上昇率格差が残った一方で為替レートが横ばい圏で推移したため、輸出の厳しさが次第に薄れていった、ということですね。

過去50年間の平均と比べて今の方が遥かに輸出が容易であるわけですし、25年前でさえも貿易収支は黒字だった事を考えると、今の為替レートは円安水準だと言って間違いないでしょう。

それでも最近の貿易収支は概ねゼロなのですが、その話は別の機会に詳述することとします。