この記事の読みどころ

  •  日本の鉱工業生産指数は2カ月連続で上昇しています。
  •  日本の7-9月期設備投資額は約3年半ぶりのマイナスとなりましたが、依然、高水準を維持しています。
  • 米国のISM製造業景況指数は2014年11月以来の高水準となっています。

今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしてみました。ぜひチェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

2カ月連続で上昇した日本の鉱工業生産指数

2月28日(火)8:50に、1月鉱工業生産指数(前月比)が発表されます。

同指数は経済産業省が公表し、鉱業と製造業の大部分の活動を示す指数です。国内全体の経済活動を捉えたものではありませんが、鉱業と製造業の生産・出荷・在庫といった景況感を敏感に反映する部分に焦点を当てた指数であることから、マーケット参加者からも注目されています。

前回、2016年12月の同指数は+0.7%(前月比)となり、2カ月連続で上昇しました。生産の基調判断も前月に続き「持ち直しの動き」となっています。

今回、1月の同指数の市場予想は+0.4%(同)と3カ月連続で上昇する見通しとなっており、今後の動向に注目が集まりそうです。

約3年半ぶりのマイナスとなった7-9月期の設備投資額

3月1日(水)8:50に、10-12月期法人企業統計調査が発表されます。

この指標は国内企業の活動実態を把握するために財務省が公表し、主に企業の売上高・経常利益・設備投資の動向に関心が集まります。詳細は、筆者が以前執筆した記事をご参照ください。

前回、7-9月期の設備投資額は-1.3%と、2013年1-3月期以来約3年半ぶりのマイナスとなりました。もっとも、これは前年の工場新設や自社ビル建設の反動減を反映したものであり、高水準を維持していることに変わりはありません。

今回の10-12月期の設備投資額の市場予想は+0.6%と、再びプラス圏に回復する見通しとなっています。

2014年11月以来の高水準となった米国のISM製造業景況指数

3月2日(木)00:00(日本時間)には、米国の2月ISM製造業景況指数(前月比)が発表されます。

同指数は米国のサプライマネジメント協会(Institute for Supply Management。以下、ISM)が公表し、製造業300社以上の購買担当役員にアンケート調査を実施するものです。

米国の主要経済指標の中で最も早く公表されるため、マーケット参加者の注目が集まりやすい経済指標となっています。

前回、1月の同指数は56.0と市場予想の54.8を上回り、2014年11月以来の高水準となりました。

今回、2月の同指数の市場予想も56.0と、景況感の節目である50.0を上回る水準となっております。

【参考情報】各経済指標の元データ

鉱工業生産指数は経済産業省のウェブサイト、法人企業統計調査は財務省のウェブサイト、米国のISM製造業景況指数は米サプライマネジメント協会のウェブサイトをそれぞれご参照ください。

岡野 辰太郎