景気予測で簡単なのは景気が順調に拡大している時、難しいのは景気回復の初期だ、と筆者は考えています(経済評論家 塚崎公義)。

景気予測の基本は、景気が自分では方向を変えないこと

景気は自分では方向を変えません。景気拡大時は売り上げが増えるので企業が生産を増やし、そのために労働者を雇い、雇われた元失業者が給料をもらって消費をし、売り上げが更に増えて景気が拡大する、といった好循環(景気悪化時は悪循環)が生じるからです。

教科書には在庫循環や設備投資循環などといった単語が出て来ますが、昔はそんな事もあったのか、といった程度に考えておけば良いでしょう(笑)。

そうなると、景気予想屋の仕事は「景気が上を向いているのか下を向いているのかを判断する」「財政金融政策が景気の方向を変えるか否かを予想する」「海外景気の変動が輸出数量の変化を通じて国内景気の方向を変えるか否かを予想する」といった事になるわけです。

本来であれば、「今がバブルか否かを判断し、仮にバブルであったとすれば、いつバブルが崩壊してどの程度の影響が出るのか」を予想したところですが、それは不可能でしょうから、チャレンジする景気予想屋は稀でしょうね。