とにかく採用を急いでいる
40代前半で経理職に転職したDさんは、転職先でブラック企業の洗礼を受けたと言います。
「経理職なら年を取ってからも手に職があって安心だと思い、簿記の資格を取って未経験ながらも経理職に転職。若くもないし、経理の仕事なんて全く経験がないのにありがたいと思っていたけれど、やっぱりそういう会社には罠があった。
研修もなくそのまま現場に入り、たった2名の経理職の先輩に色々と教わりながら仕事を進めるのかと思いきや…1名がすでに退職予定、もう1名はあと数週間で産休に入るという状況。それは採用を急ぐわけだ…」と振り返ります。
同時期にもう1名、経理職の経験のある30代男性を雇い入れ、その人と二人で悪戦苦闘しながらなんとか2名の戦力ダウンに備えたというDさん。しかし、当然思うようには仕事は進まず、社長から激怒される日々だったと言います。
「社員20名くらいの小さい会社なので社長が毎日職場を見回りに来て、『経理が回ってないって文句が出ている』とか『こんなこともできないのか』と怒鳴りながらデスクを蹴っ飛ばす。そんなことが続くうちに、どんどん人が辞めていった。自分もその流れで即退職。今は職場に恵まれ幸せな日々だ」と話してくれました。
採用を急ぐということは、退職者が相次いでいるということでしょう。表向きはポジティブな増員であっても、裏側の事情は計り知れません。
まとめにかえて
今回はブラック企業での勤務を経験した4人から、ブラック企業の見分け方のヒントについて聞きました。ブラック企業は常に人が足りないのでたくさん求人を出していることが多く、求人票と大きく異なる内容で労働条件が提示されることもあるようです。そういうときは毅然とした態度で断る、条件について再度話し合うなどのアクションが必要でしょう。
参考資料
大塚 ちえ