50代対象の求人は増加傾向。長く働く選択肢も増えるか

先ほどのエン・ジャパンが行った調査「定年延長によるミドル・シニアの活用」によると、「50代を対象とした求人が増えている」と答えたコンサルタントは43%、「変化していない」が47%でした。

求人が増えていると感じる企業のトップは「中小企業」が76%、次に「大手企業」と「ベンチャー企業」がそれぞれ35%です。

求人が増えている理由も確認しましょう。

  • 若手人材の不足により、採用人材の年齢幅を広げざるを得ないため:63%
  • 既存事業拡大に伴う、経験者募集が増えているため:53%
  • 新規事業立ち上げに伴う、経験者募集が増えているため:37%
  • 管理職が不足しているため:34%
  • 年功序列から成果主義へのシフトが進んでいるため:20%など

いずれも2019年の調査よりポイントが増えています。

50代の雇用の流動性については、45%が「流動性が(どちらかといえば)低い」と回答。求人は増えるものの、やはり50代になると転職自体が難しい印象ですよね。

その理由として、「企業が50代の活用策を考えられていないため」が53%で、前回よりは6ポイント低下。一方で「定年延長で企業コストが嵩み採用自体が鈍化しているため」が27%、「50代が担っていた役割を若手など別世代が担い始めたため」が22%と、それぞれ10ポイント以上上昇しています。

「ミドル・シニアの活用について取り組みを行なっている企業は何割程度あると感じますか?」の質問については、29%が「5割以上」と、2019年より11ポイント増加。具体的なエピソードを見てみましょう。

  • 人事部が現在の求人環境について経営層へ説明を行ない、若手社員を獲得することの難しさを説いてミドル・シニア層の採用を開始した企業があった。
  • まずは顧問や契約社員など非正規採用で受け入れ、お互いの意向が合えば正社員や幹部に登用するという形があった。
  • 以前は年齢が上がるとマネジメント方面のキャリアしか選択肢がなかったソフトウェア開発系の企業で、マネジメントではなく技術職として定年まで働ける、スペシャリストキャリア制度を取り入れていた。
  • 基本的な研修として、セカンドキャリア・セカンドライフに関連するセミナーを開催し、今後の選択を自由に行なえる仕組みを導入する企業が増えている。

2021年4月の改正高年齢者雇用安定法により、今は「70歳までの雇用確保」が努力義務です。50代での転職は難しいものの、今後は変化が見られるでしょう。

長く働き続けることで、貯蓄を増やすこと、また資産寿命を伸ばすことも可能です。転職まではしない場合でも、「これなら長く働き続けられる」という仕事について考えたり、定年後も働けるスキルを磨いたりするなどの方法はあります。「働き続けられる」と思えることは安心感にもつながるでしょう。