50代のうちから「お金の工夫」をはじめる

50代から貯蓄を増やして資産を守るもう一つの方法として、「お金」の工夫があります。

今後は長く働くことも可能ですが、歳を重ねれば持病を抱えたりケガをしたりして、急に働けなくなるリスクは誰しもあるでしょう。お金に関する工夫としては主に2つあります。

定年後を考えた生活水準をゆっくりと目指していく

定年後、貯蓄を切り崩すスピードを落とすためには、月々の赤字を減らすことが大切です。赤字を減らすためにも、定年後を見据えた生活水準に向けてゆっくりと生活費を落としましょう。

毎月の生活費を下げるのは、やってみると意外と難しいもの。まずは固定費の見直しからはじめるといいでしょう。ガマンが必要な食費などを下げるのは難易度が高めです。

ただ、じっくりと行うことで、節約に対する意識も徐々にあがります。定年後急に行うのは難しいので、時間をかけて生活費を下げてみましょう。

お金に働いてもらう

もう一つの方法として、資産寿命を伸ばすために貯金にあわせて運用を取り入れる方法があります。

たとえば、投資信託の積立投資。自分で長期的に成長すると思える先へ投資する投資信託を選んで、毎月一定額を積み立てていきます。つみたてNISAを利用すれば、通常20.315%かかる運用益が毎年40万円まで、最長20年間非課税になります(非課税投資枠は20年間で最大800万円 )。

投資なのでリスクがありますが、上記の方法であれば投資対象・投資時期ともに分散しているので、ある程度リスクを抑えることは可能です。たとえば「毎月3万円・年率3%・20年間」投資した場合は約984万円(金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算)。そのうち、元本は720万円です。20年後には70代ですが、まだ元気にしている方も多いでしょう。

ただ特に投資対象でパフォーマンスは変わるので、情報収集をしてご自身で納得の行く先を選ぶことが大切です。これ以外にも、私的年金で将来の年金額を増やす方法もあります。

自分ができることを考えよう

「仕事」と「お金」両方からアプローチすることで、老後資金に備えることができます。50代であれば、どちらに対しても工夫を考えたり、チャレンジしたりするのは遅くはないでしょう。大切なのは「自分にできそうなことを今からはじめる」ことです。

さまざまな方法で情報収集をして、ご自身に合った方法を考えてみてくださいね。

参考資料

宮野 茉莉子