老後まで残り十数年となる50代。教育費の負担が終わり、住宅ローンの残りも見えてくる一方で、老後資金がリアルとなってくる年代ですね。「老後までに貯蓄を増やしたい」「できるだけ貯蓄を減らしたくない」そう考える方は多いでしょう。
人生100年時代の今、貯蓄がいくらあれば安心とは一概に言えませんが、貯蓄額の平均は気になるところ。50代の貯蓄分布をみると、貯蓄ゼロ世帯と2000万円以上保有している世帯で二極化しています。
一方でエン・ジャパンが1月13日~19日に「ミドルの転職」を利用する転職コンサルタント199名を対象に行った調査「定年延長によるミドル・シニアの活用」によると、43%のコンサルタントが「50代を対象とした求人が増えている」と答えています(2022年1月31日公表)。「できるだけ長く働き続けたい」と考える方も多いですよね。
今回は50代の貯蓄を確認しながら、お仕事事情や老後に備える方法についてもみていきましょう。
50代の貯蓄は二極化傾向へ
今回は金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和2年)」より、50代・二人以上世帯のくわしい貯蓄分布をご紹介します。
50歳代二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産非保有を含む)
- 平均値:1684万円
- 中央値:800万円
平均は1684万円ですが、より実態に近い中央値は800万円です。
詳しくみると、金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロ世帯は13.3%。約2割が貯蓄0~100万円未満です。
一方で、50代で貯蓄を2000万円以上保有しているのは24.6%。
2019年には老後、年金以外に2000万円が必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。4世帯に1世帯はすでに50代で貯蓄2000万円をクリアしています。
このように50代の貯蓄は二極化していますが、まだ老後まで十数年あります。今から老後資金に向けて対策を行うことは可能でしょう。その一つが仕事です。