日本の年金制度は「一に申請、二に申請、三・四がなくて、五に時効」と言われます。年金は60歳や65歳から受け取れるということはよく知られていますが、実は「申請制」であることはあまり知られていません。
時期が来たら自動的に振り込まれるのではなく、年金請求書で申請しなければ受け取れないのです。
さらに、年金を受け取る権利には時効があります。面倒だからと手続きを後回しにしておくと、最悪の場合消滅してしまうことも。
年金保険料は、現役時代に毎月納めてきたものです。「払い損の悲劇」が起きないためにも、年金請求書の提出から受給開始までの流れと、時効が起きやすいケースについて押さえておきましょう。
【注目記事】厚生年金「ひと月15万円以上」の男性の割合はどのくらいか
年金請求から受給開始までの流れ
年金には国民年金・厚生年金がありますが、どちらの受給開始も原則65歳です。初めて年金を受給する場合、65歳になる3カ月前に日本年金機構から「年金請求書」が送られてきます。
この「年金請求書」には、これまでの年金加入記録が記載されていますので、「もれ」や「誤り」がないかをしっかり確認しましょう。万が一間違いがみつかった場合は、事前に近くの年金事務所に問い合わせる必要があります。
内容に間違いがなければ、年金請求書に必要事項を記入し、「受給開始年齢の誕生日の前日以降」に提出します。届いてすぐ提出すればいいわけではない点に注意しましょう。
最初の年金が振り込まれるのは数カ月後
65歳になってから実際に年金が振り込まれるまで、2~5カ月程度かかる点も覚えておきましょう。年金請求書の提出から約1~2カ月後に「年金証書・年金決定通知書」が届きさらに1~2カ月後に「年金のお支払いのご案内」が届き、振込という流れです。
リタイヤしている場合は、その間預貯金を切り崩して生活費を捻出しなければいけません。また年金の受け取りは年6回、偶数月に2カ月分振り込まれます。家計のやりくり方法が変わる点も留意しておきたいですね。