2021年は企業の倒産件数が過去50年で最低となりました。しかし喫茶店の廃業は過去最高を記録しています。コロナ禍による外出機会の減少の影響で喫茶店が苦境に陥る一方で、「コメダ珈琲」を展開するコメダHDは業績を急回復させています。

喫茶店に立ち寄るのではなく、「コメダ珈琲」自体への訪問を目的とする顧客が増えつつある同社は業績の拡大を続けることができるのか、今後の行方が注目されます。

2021年の企業倒産件数は過去50年で最低 一方で喫茶店の廃業は過去最高に

東京商工リサーチによると2021年の企業倒産件数は過去50年で最低となりました。コロナ禍で経営の苦しい企業が多い一方で、政府保証による金融支援の効果で経営が苦しい企業も資金繰り面では一息付いており、倒産件数が大幅に減少しているようです。しかしそれでも2021年は喫茶店の廃業が過去最多を記録しています。

2021年もコロナ禍の下で、人々は外出機会の減少を余儀なくされました。わざわざ喫茶店のためだけに外出するのは、喫茶店で仕事をするフリーランスやコーヒー好きを除けば元々は少数派です。また100円で買えるコンビニのコーヒーも進化しており、喫茶店業界は苦しい状態にあります。

1年で約2倍。コーヒー豆の価格上昇も痛手に

更にコーヒー豆価格の上昇も喫茶店経営の重荷になっています。2021年はコーヒー先物価格が年間を通じて上昇しました。2021年最初に120~130ドル台であったコーヒー先物価格は11月には240ドルを超えており、価格は1年で約2倍に上昇しました。

コロナ禍により外出機会が減少し喫茶店へ足を運ぶ人が少なくなる中で、コーヒー豆の価格上昇が特に個人経営の喫茶店を直撃しており、2022年も喫茶店の廃業は増加が予想されます。