将来のお金のことも忘れずに

ここまで年収600万円世帯の貯蓄事情を紐解いてきました。年収600万円世帯は、マイホームの購入やお子様の教育費など、出費も多くなる年代の方が多い世帯と言えるかもしれませんね。

ちなみに、「教育資金」「住宅資金」「将来(老後)資金」は、人生の三大資金と言われています。

実は、この3つの資金のうちに、より丁寧に計画を立てる必要のあるのが「将来(老後)資金」なのです。将来お金に困ったときに、親族からの援助や自治体の保障に頼ることはできても、自らの力で老後に新たに資金を調達することは、簡単なことではないことは皆さんも想像できるのではないでしょうか。

将来のお金は「今から」準備を始める

低金利時代と呼ばれるいまは、預貯金で漠然とお金を持ち続けていても、受け取れる金利はほんのわずか。お金を「増やす」ことには繋がりにくいといえるでしょう。

そこでぜひ視野に入れていただきたいのが「お金に働いてもらう」という発想、つまり「資産運用」のスタートです。退職金や公的年金だけに頼らず、自助努力で資産を増やしていければ老後の安心につながります。

預貯金とは異なり、資産運用に元本保証はありません。そこで長期で取り組み、購入するタイミングを分散させながら、コツコツと積立ていくことをお勧めします。

決まった金額を定期的に投資していくと、安いときに多く買えるため、価格下落のリスクを抑えることに繋がります。つみたてNISAやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった少額からの積立投資を後押しする制度の活用を検討してみてもよいかもしれません。まずはお持ちの資産の状況をしっかり把握することからはじめてみることをおすすめします。

参考資料

吉田 奈都子