大規模修繕費用等の大きなキャッシュアウト

最後に通常の運営経費ではなく、突発的に発生するキャッシュアウトですが、以下が主な項目になります。

  • 大規模修繕費用
  • エレベーター交換費用
  • 家賃滞納等トラブルが発生している部屋の各種処理費用

これらの費用も不動産業者のキャッシュフロー計画には含まれていないことがほとんどです。

「大規模修繕費用」及び「エレベーター交換費用」については、1棟マンション所有者は特に注意が必要です。なぜなら、1棟所有の場合は、区分マンションのように毎月修繕積立金を積み立てるという形ではなく、発生時にまとめて支払うことになるためです。

ただし、この2つについてはどの程度の期間ごとに大規模修繕を行うべき、またエレベーターであればどの程度の期間でエレベーターを交換すべきという案内は出ているので、キャッシュフローを見積もる際は標準的な期間で費用が発生することを織り込むことは可能です。

3つ目の項目について、トラブルが発生している全ての部屋を購入前に特定することは難しいでしょう。ただ、外からみて明らかに玄関ドアが壊れている、ペット禁止なのに明らかにペットを飼っている等が分かる部屋があれば、購入後に対処する費用も織り込んでおいた方が無難ではあります。

私は購入後にある部屋の入居者との連絡が途絶え、多くの法的手続きを経て室内を確認した結果、ゴミ屋敷でその対処費用を負担させられた経験があります。その部屋は玄関ドアが曲がっており、郵便ポストもいつも満杯といった状況だったので、事前にトラブル対応費用が発生することはある程度想定することはできたと今は感じています。