不動産投資を始めた方から「想定していたよりも手残りキャッシュフローが少ない」ということを聞くことが多くあります。不動産投資の経験が浅く、購入後にどういった収入が発生し、どういった費用が発生する可能性があるといったキャッシュフローの見積もりが正確にできていないことが要因であることが多いかと思います。

購入時にお世話になる不動産業者の中にはネガティブなことは極力伝えない業者もいる環境の中で、不動産投資経験が浅い方が購入後のキャッシュフローを正確に見積もることは難しいのかもしれません。

そこで、今回は購入後のキャッシュフローを見積もる際に考えるべき項目について、自分の実体験も交えながらご説明していきたいと思います。

家賃収入等のキャッシュイン

まずは収入の見積もりに関してですが、不動産投資で得られる収入は主に以下の通りです。

  • 家賃収入
  • 駐車場収入
  • 自動販売機収入
  • バイクパーキング収入
  • トランクルーム収入
  • 基地局収入

上記の中でまず注意していただきたいのが、不動産業者より提示された家賃金額の適正性です。

売主としては高く売りたいので、利回りを良く見せるために「敷金礼金ゼロゼロにする」「賃貸仲介業者への広告費を多くする」等の方法で、相場より高い家賃で入居者募集を行っているケースもあります。

ここで大事なことは、業者より提示された家賃水準で購入後も埋め続けられるか?という点です。

例えば、賃貸面積あたりの家賃が1万円/坪であるエリアの物件が売りに出されていたとします。しかし、売りに出されている物件のレントロールから計算した賃貸面積あたりの家賃が1.2万円/坪であった場合は、相場より家賃が高いことになります。相場より家賃が高い要因を自分が物件を購入した後も維持できるか考えるようにしましょう。

その他の収入については、購入時点で既に発生している収入の把握はもちろんですが、購入後に自分で新たに生み出せる収入がないか?という観点でも考えてみると良いかもしれません。

私の実例で言えば、周辺に高い建物がないエリアで6階建ての1棟マンションを購入後、携帯会社を誘致することができ、基地局収入を新たに創出することができました。

また、空き地をバイクパーキングや駐車場にできた経験もあります。そのような収入を見込めるかは各関連業者に確認した上で、収入を見込める可能性が高いのであれば、その収入も見込んだうえで購入を検討するのもよいでしょう。