人間40代になると、会社では部下の指導もしながら最前線に立ち、家庭では子供が大きくなる一方で親も高齢化するなど、なにかと手間やお金がかかる機会が増えます。自分が思い描いていた将来設計を、見直す暇などないのかもしれませんが、なにかあった場合でも、経済的に困ることなく生活が維持できる、「人生のPLAN-B」が最も必要とされる世代でもあります。そこで40代にとって、不動産投資との上手な付き合い方を今回はわかりやすくご説明します。

【不動産投資】株や暗号資産などの金融投資との違い

最近は新型コロナの影響により投資に高い関心を示す人が増え、証券会社等で口座開設し、株やファンドや暗号資産取引のデビューをする人が多いようです。同じ投資といっても、これらの金融商品は不動産投資と以下のような違いがあることをまず抑えておきましょう。

投資する金額の大きさ

株やファンドなどは、かつては一定の金額以上でなければ投資に参加することができませんでしたが、最近はどんどん小口化し、数百円からでも投資ができるようになりました。一方、不動産投資では「J―REIT」などの金融商品化したものやフルローンで資金調達する場合を除き、少なくとも数百万円はないと始められないことが大きな違いといえます。

利益が確定する時間

株などは毎日毎時売買され、その日に安く買った株をその日に高く売って利益を確定することもできます。その売買が毎日成功すれば、すぐに莫大な利益を手に入れることができます。

一方、不動産に関しては、今日買った不動産が明日すぐに値上がりして売れるという可能性は少ないです。むしろ、何年か保有し、手間ひまをかけてやっと売れて、利益が確定するものです。保有する間の利益をインカムゲイン、売却時の利益をキャピタルゲインといい、その合計で利益を計算するので、数年単位の時間がかかるのが特徴です。

資産価値が上がるか下がるかは自分次第

株やファンドは投資した会社のビジネスが今の経済社会にマッチしているか、またはファンドマネージャーがそれを見抜く力があるか否かで価値が変わります。

一方、不動産は投資を行った後に、必要な場面ごとにその価値を維持するため所有者がどうするかを判断しなければなりません。市場のニーズにあった設備を備え、リノベーションを行うことで、家賃の上昇や空室率の減少が見込め、資産価値が上がります。一方、適切な維持管理や投資を怠ると、少しずつ価値が減退し、気が付いた時には手遅れになります。このように不動産は投資期間の判断の良否が資産価値を決定するといっても過言ではありません。