40代からおひとりさま老後に備える方法は?
老後を65歳からと考えると、40代では老後までおよそ20年間あります。この約20年間、どのような対策をとっていくかで老後の生活も変わるでしょう。
先ほど家や年金について触れましたが、毎月の生活費が不足する場合にはiDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険などを利用して、自分で年金を作る私的年金を準備するといいでしょう。
iDeCoは自分で元本確保型(定期預金や保険)や投資信託から金融商品を選び、金額を決めて毎月積み立てる私的年金制度です。原則60歳まで引き出すことができないので、その点についてはよく考えて検討しましょう。
老後資金の貯蓄には、預貯金にあわせて資産運用を取り入れるのも一つです。1人で働いて収入を得るには限りがあるので、「お金に働いてもらう」手段を取り入れるといいでしょう。
自分で投資信託などを選んで毎月一定額を積み立てる「積立投資」なら、時間を味方につけて、利息に利息がつく複利の力が期待できます。たとえば「毎月3万円・年利3%・20年間」で運用できると、元本720万円が約984万円になります(金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算)。貯蓄の一部に取り入れるのも良いですね。
ただ、運用なのでリスクはあります。40代であれば30代ほどリスクはとれないものの、まだリスクを取りながらの運用が可能な年代でしょう。投資対象によってパフォーマンスも左右されるので、長期的にみて成長すると考えられる先への投資を検討するといいでしょう。まずはリスクも含めて、しっかりと情報収集をしてください。
あわせて考えたいのが、ご自身の健康寿命を伸ばすことです。「できるだけ長い間働き続けたい」と考えるおひとりさまも多いでしょう。また、介護が必要になった時の不安も残りますよね。将来の不安にお金で備えるとともに、日々の健康管理も行っていきましょう。
おひとりさまの選択は自分次第
おひとりさまの貯蓄や老後をみてきて、不安を抱える方もいると思います。とはいえ、おひとりさまの生活は不安や心配なことばかりではありません。ひとりならではの楽しみもありますし、日々の生活や人生の選択が自分次第というのはプラスの面もあります。
40代になると先々が見えてくるような気持ちになる方もいますが、誰しも先のことはわかりません。人生は選択の連続ですが、40代以降もその選択は続きます。その時々の選択が将来を変えていくからこそ、まずは地盤となるお金や健康についてしっかり考え、ご自身ができる最善の選択をしていくといいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年調査結果」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」
- 厚生労働省「令和4年度の年金額改定についてお知らせします 」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
宮野 茉莉子