「おひとりさま老後」焦点は住まいと年金
40代のおひとりさまは貯蓄額が少ない方もいますが、まだ40代ということもあり老後までに時間があります。老後のことは後回しにしたり、怖くてなかなか向き合えなかったりする方もいますが、早いうちに一度じっくりと考えるといいでしょう。
老後資金について考える際、まず「自分は老後1カ月いくらで生活できるのか」おおよその金額を考えてみましょう。参考までに、総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によれば、65歳以上・無職の単身世帯の1カ月の支出は14万4687円です。
ただし、こちらは住宅費が1万円台です。老後の生活で大切なのは、お金事情とともに住まいはどうするか。持ち家であれば家賃がかかりませんが、おひとりさまは賃貸物件に住む方も多いでしょう。
たとえば家賃5万円の物件に住む場合、先ほどの約14万円の支出に約4万円を足すと1カ月の支出が約18万円になります。老後の家賃分を準備すると考えると、「5万円×25年間(老後を65~90歳と仮定)=1500万円」にもなります。
賃貸物件にお住まいの方は、定年後の住まいをどうするかについて前もって考えておくといいでしょう。
同時に確認したいのが、将来の年金額です。お家時間のできる今、ねんきんネットなどを利用してご自身がいくらくらい受給できそうか確認してみましょう。
ただ、年金については個人差が大きい点や将来受給額が下がる可能性も考える必要があります。厚生労働省は2022年1月21日に令和4年度の年金支給額が令和3年度から0.4%の引き下げとなると公表しました。
これによると令和4年度の国民年金の満額は「月額6万4816 円」(▲259円)、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は21万9593円(▲903円)。1人で受給する金額を考えると、年金のみで生活するのは厳しい方も多いでしょう。
住まいとおおよその年金額を確認したら、それに対して備える必要があります。