仕事より、家庭を優先したい理由は?
次に、仕事よりも家庭を優先したいと思う理由をみていきましょう。
既婚女性の1位は「家庭に対する興味が強くなった」で61.3%でした。結婚したり、子どもが生まれたりすることによって、夫婦や子どもとの時間を大切にしたいと感じる方もいるでしょう。
次に「出産などのライフプランを考え直した」(41.3%)「パートナーの影響」(22.7%)「家庭を優先せざるを得ない状況になった」(20.0%)と続きます。リアルな声も確認しましょう。
- 子育ては、仕事とは違った充実感があることに気づいたため。今はそれを楽しみたいと思っています。(32歳・千葉)
- 何年も働き続けたときに「自分は何のためにお金を稼いでいるのか」分からなくなりました。いくら仕事を頑張っても自分の幸福度は上がらないと気付いたのがきっかけです。(33歳・愛知)
- ワンオペ状態なので、仕事を優先したくても物理的に不可能なため。また、子どもの親は自分しかいないので「子どものことを第一に考えてあげたい」という思いもある。(41歳・埼玉)
子育てをはじめてみて新たな楽しみや充実感を感じる方もいますよね。人生100年と考えれば、その内の数年間は子育てのために時間を使うというのも一つの考え方です。
先ほどのように仕事をすることで自分の存在意義を感じる方もいれば、仕事を頑張っても幸福度が上がらない方もおり、何を幸せと感じるかは人それぞれだと分かります。
また、そもそもワンオペ育児や実家が遠方などにより、働くことがてきない方も多いでしょう。
自分なりのバランスを模索しよう
今回は仕事か、家庭かに対する既婚女性のリアルな声をみてきました。
現代は一旦離職してしまうと、再就職するにはまだ難しいところがあります。一方で男性も家事・育児をする方が増えたり、便利家電が普及したり、リモートワークの仕事が増えたりなど、徐々に環境も変化しつつあります。
結婚や育児、キャリアのバランスをとるのは難しく、特に育児中は目の前のことで精一杯になりがちでしょう。長い目でみて考えて、周囲の協力を得ながら、自分なりのバランスがだんだんと見つかるといいですね。
参考資料
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構「図12 専業主婦世帯と共働き世帯」
- 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
- PRTIMES「仕事か家庭か?結婚したキャリア女性にワークライフバランスについてアンケート」
- 日本政策金融公庫「令和2年度『教育費負担の実態調査結果』」
宮野 茉莉子