年金を増やす努力も有効

老後の収入源のひとつに、年金があります。

金融資産は「ストックの備え」といえる一方、年金は毎月入ってくることから、「フローの備え」ともいえるでしょう。

この年金ですが、今からの努力次第で受給額を増やすこともできます。

国民年金については、納付額が一律であるため、受給額を増やしづらいです。

しかし、厚生年金については、皆さんが会社から受け取る報酬そのものを上げることで受給額も引き上げることができます。

経験やスキルを向上させ、キャリアアップを図ることは、こうした観点からも将来を救うことになります。

やみくもに「金融資産1000万円」を狙う必要もない

先ほど、70代以上の世帯のいわゆる「ふつう」の金融資産額は1000万円だと説明しました。

しかし、だからといって皆さんすべてが1000万円を目標とする必要はありません。

重要なのは、「老後どれほどのお金が必要となるのか」をそれぞれが考え、それに合わせて準備することです。

不安に駆られてやみくもに生活を切り詰め、貯蓄を過剰に多くすれば、老後の不安はなくなるかもしれません。

しかし、不安に駆られっぱなしの若・中高年時代を過ごすことになり、これもまたよい人生とはいえないかもしれません。

逆に、なんとなくマイペースに準備していった結果、老後を迎えて十分な貯蓄が積み上がっておらず、後悔してしまう可能性もあります。

それぞれの老後の生活スタイルを軸に、過不足なく、もしくは少し余裕ができるようなペースで貯蓄を積み上げていくというのが適切な計画ではないでしょうか。