人生100年時代。貯蓄はいくら必要?
ここで疑問に思うのが、「老後にはいくらの貯蓄が必要なのか」という点です。仮に人生を100年だと仮定して、70代以降の必要貯蓄額を考えてみましょう。
70歳以降・無職世帯の「公的年金給付額」
- 70~74歳:20万5935円
- 75~79歳:20万7107円
- 80~84歳:19万4818円
- 85歳~:19万5343円
70歳以降・無職世帯の「消費支出(生活費)」
- 70~74歳:24万2579円
- 75~79歳:22万4855円
- 80~84歳:20万6655円
- 85歳~:19万4102円
家計調査報告(家計収支編―二人以上の世帯―2020年)によると、70歳以降の収入と支出の目安は上記のとおりになります。月ベースでみれば若干の赤字でも、残りの人生を30年と考えると数百万単位になります。
さらに考えておきたいのは、上記の支出は住居費が1万円台で計算されていること。つまり今後も賃貸で住み続ける方は、家賃分を上乗せしないといけません。
また介護費用が含まれていないのも気になります。誰もが経験するかもしれない介護費用は、月々平均8.3万円かかると言われます。これとは別に、介護の始まりには平均74万円が必要です(住宅改造や介護用ベッドの購入費など)。
仮に平均的な介護期間である5年1ヶ月介護を受けるとすると、約581万円もの費用がかかる計算に。夫婦2人分の介護費用を、子どもや孫世帯の負担にならないように自分たちで賄うためには、これらの費用をしっかり上乗せする必要があるのです。
老後費用は2000万円が1つの目安と言われますが、このように計算すると人によってばらつきが出ることがわかります。「自分の場合はいくら必要なのか」を考えることで、貯蓄目標額を考えることが大切ですね。