子が介護費用を負担する場合の問題点3つ

子どもが介護費用を負担する場合の問題点を3つ確認しましょう。

影響が三世代に渡る場合もある

親の介護が始まる時期、その子どもにとっては教育費や住宅ローンなどまだまだお金がかかる時期と重なる場合もあります。このような状況下で費用の負担をし続けた場合、今度は子ども自身が老後資金を貯めることができなくなる場合もあるでしょう。その結果、孫の世代が負担を負うことになる可能性も考えられるのです。

自分の老後のお金の面倒を子どもに見てもらうことの影響は、三世代に及ぶことを認識しておく必要があるでしょう。

親孝行のつもりが共倒れになる

特に親孝行の子どもほど「自分が親の面倒を見なければ」という責任感のもと、金銭面でも体力面でも頑張りすぎてしまう傾向があります。介護に没頭して、仕事を辞めてしまうケースもあるでしょう。そうなると共倒れになってしまうこともあるのです。

自宅で介護することが親孝行とは限りません。介護は個人の問題ではなく、「社会の問題」と認識して、行政の支援は不可欠と考えましょう。

きょうだいで揉める原因になる

もう一つ、子どもが負担することで問題となるのが、きょうだい間の負担の格差です。負担は金銭だけではなく、実際に面倒をみる負担もあります。

たとえば、親の近くに住んでいる子どもが施設の送迎や身の回りの世話などのケア面を担当し、離れている子どもはお金を援助するなど、きょうだいで取り決めることがあるでしょう。この取り決めがうまくいっている場合は良いのですが、負担の割合に不公平が生じるとそれが不満となり、親が亡くなった後に相続で揉める原因になります。

子どもが負担した費用は、立て替えた費用として相続時の財産分与で精算する方法もあります。その場合、ケア面を担当した子どもはそれ以上の財産を相続しないと割に合わないでしょう。

このように「親のお金か、子どものお金か」が曖昧になってしまうと、きょうだいがいる場合は揉め事に発展する恐れがあるのです。