所得制限のワナ「だから年収1000万円世帯は、ゆとりを実感しにくい」

■「児童手当」

児童手当は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人に支給されます。

児童手当(月額)

  • 3歳未満・・・一律1万5000円
  • 3歳~小学校終了前・・・1万円(第3子以降は1万5000円)
  • 中学生・・・一律1万円

ただし、所得制限の対象となる方は特例給付の「児童1人当たり月額一律5000円」となります。「会社員の夫と専業主婦、子ども2人の家庭」であれば年収960万円が所得制限の対象になるでしょう。

※2022年10月からは、夫婦どちらかが年収1200万円以上の場合、児童手当が廃止されます。

■「高等学校等就学支援金制度」

高等学校等就学支援金制度は、収入などの要件に応じて、授業料部分が支援される制度です。これについたは、片働きか共働きかで所得制限が変わります。

■■目安年収「両親が共働き世帯の場合」

子の数:年11万8800円(月額9900円)の支給対象・年39万6000円(月額3万3000円)の支給対象

  • 子1人(高校生):~約1030万円・~約660万円
  • 子2人(高校生・中学生以下):~約1030万円・~約660万円
  • 子2人(高校生・高校生):~約1070万円・~約720万円
  • 子2人(大学生・高校生) :~約1090万円・~約740万円
  • 子3人(大学生・高校生・中学生以下):~約1090万円・~約740万円

■■目安年収「両親のうち一方が働いている場合」

子の数:年11万8800円(月額9900円)の支給対象・年39万6000円(月額3万3000円)の支給対象

子1人(高校生):~約910万円・~約590万円
子2人(高校生・中学生以下):~約910万円・~約590万円
子2人(高校生・高校生):~約950万円・~約640万円
子2人(大学生・高校生) :~約960万円・~約650万円
子3人(大学生・高校生・中学生以下):~約960万円・~約650万
※給与所得以外の収入はないものとし、両親共働きの場合、収入は同額として計算

上記はあくまで「目安の年収」です。実際は子どもの年齢などにより変わってきますが、「会社員の夫と専業主婦の妻、子2人(高校生・中学生以下)」の場合、年収910万円以上は対象外になるでしょう。

その他、子どもの医療費助成(乳幼児医療助成)も、自治体独自の所得制限が設けられているケースがあります。

毎月の児童手当を積立貯蓄に回せれば、それなりの教育資金を準備することもできるでしょう。また、小さいお子さんは何かと通院が頻繁になりますから、医療費助成があるかないかで、家計に大きな差が出ることも多いはずです。

「年収1000万円世帯」とひとくくりにすることは簡単ですが、こうした公的支援の対象になるかどうかは、暮らしのゆとり部分に少なからず影響するといえるでしょう。