「エモい=あはれ」の見解は過去に出されている
「エモい」とされる事例はミックスナッツなどの食べ物から、カセットテープなどの無機物、果てはホテルなどの大きな対象物にまで及びます。このように、形容する対象があまりにも幅広い言葉について、思い当たる言葉が一つあります。それは、古文で勉強した「あはれ」という言葉です。
実は、「エモい=あはれ」説は私の妄想ではなく、三省堂「「今年の新語2016」の選考結果」でも言及されています。該当部分を引用してみます。
2位の「エモい」は、エモーショナル、つまり感情が高まった状態になっていることを表す形容詞です。
(中略)
「エモい」は、感動・寂しさ・懐かしさなど、漠然としたいろいろな感情表現に使われます。古代には、これとほとんど同じ用法を持った「あはれ」ということばがありました。「いとあはれ」と言っていた昔の宮廷人は、今の時代に生まれたら、さしずめ「超エモい」と表現するはずです。
今から5年前の新語として認識されていて、2021年現在も特に違和感なく使われていることを考えると、流行語の枠を越えつつあるのかもしれません。
比較として、2016年に同じく新語として6位に選ばれた「スカーチョ(スカートとガウチョが組み合わされたもの)」は2021年現在、日常的にはまず使いません。Yahoo!リアルタイム検索をしてみても、「スカーチョ」については特定の業者と思しきTwitterアカウントが定期ツイートしている程度でした。