2021年末、世界の資産にまつわる驚くべきニュースが飛び込んできました。

経済学者ら100人超による国際研究の結果、世界上位1%の超富裕層の資産が、世界全体の個人資産の37.8%を占めたと各種メディアで報じられました。

一部の富裕層が資産を独占する経済格差は以前から見られましたが、新型コロナウイルスを一つの要因として、一気に広がったようです。

ここで気になるのが、最新の他人のお財布事情。「今いくら貯めている?」とはなかなか聞けませんが、実際いくらくらいの資産があるかは気になりますよね。

他人と比べても貯蓄額はあがりませんが、今後のヒントにすることはできます。

今回は、定年退職を10年ほど後に控えた50代おひとりさま世帯にフォーカスをあて、その貯蓄事情を紐解いていきます(※編集部注)。

【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法

「50代おひとりさま」貯蓄の実情

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年調査結果」によると、50歳代単身世帯の貯蓄平均額は924万円でした。内訳は次の通りです。

50歳代・単身世帯:金融資産保有額

(金融資産を保有していない世帯を含む)

50代「おひとりさま世帯」の貯蓄事情

平均:924万円 中央値:30万円

注目したいポイントは「金融資産非保有が41.0%もいること」と、「平均値と中央値に差があること」です。

50歳代といえば、定年退職に向けて貯蓄のラストスパートを切る年代。この時期で40%以上が「貯蓄ゼロ」というのは、少し驚く数字ですね。

また平均値と中央値に約900万円の差があることから、貯蓄額に格差があることが伺えます。

平均値は、一部の大きな値に引っ張られる傾向があるため、3000万円以上の人が少数いるだけでもぐっとあがります。対して中央値とは、データを一つずつ並べた時に全体の真ん中にくる値のこと。より実態に近い数値だと言えるのです。

つまり、実態は30万円程度の貯蓄ですが、一部の富裕層に引っ張られて平均値が押し上げられていると言えます。

このように、50代のおひとりさまは「貯蓄なしの人が約40%いること」や「貯蓄額に格差がある」という事情が見えてきました。