日本漢字能力検定協会が主催する、毎年恒例の「今年の漢字」。2021年は「金」の文字が選ばれましたね。
全国から22万3773通もの応募があり、「金」は1万422票を集めトップに。
まずは、東京オリンピックの開催で多くの日本人選手が獲得した「金メダル」。そして、コロナ禍の経済不安に伴い、給付「金」など、お金に関する話題が多かったことなどが背景にあるようです。
多くの人の興味・関心を集めた今年一年を表す漢字の「金」。本日は、一般的な年金受給スタート年齢である65歳以上世帯のお金事情にフォーカスします。
年末の締めくくりに、老若男女が気になる老後資「金」についてお話していきます(※編集部注)。
【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法
老後の生活費は、どのくらいかかるの?
まず、65歳以上・リタイヤ世帯の生活費がどのくらいか、家計調査の結果から平均をつかみます。
ここでは、総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)家計の概要」の「65歳以上・無職世帯」(夫婦世帯)を元に、ひと月の支出の平均値を見ていきましょう。
※2020年の家計調査結果は、新型コロナウイルス関連の特別給付金などの影響を受け、平均額が引き上げられている点には注意が必要です。
■65歳以上・無職「夫婦世帯」の支出平均
支出合計:25万5550円
【内訳】
・非消費支出計(税金や社会保険料):3万1160円
・消費支出計:22万4390円
- 食費:6万5804円
- 住居:1万4518円
- 光熱・水道:1万9845円
- 家具・家事用品:1万258円
- 被覆及び履物:4699円
- 保健医療:1万6057円
- 交通・通信:2万6795円
- 教育:4円
- 教養娯楽:1万9658円
- その他の消費支出(交際費や諸雑費など):4万6753円
老後に受け取る年金額は世帯によって異なりますが、標準的な夫婦世帯(夫が厚生年金・妻が国民年金)を受け取る世帯であれば、夫婦で約22万円です(※)。
よって「老後の赤字」に無縁な世帯は決して少数派ではないといえそうです。そこで頼りになるのが、現役時代にコツコツと準備してきた貯蓄ですね。
次では、65歳以上・シニア世代の貯蓄事情を見ていきます。
※厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):22万496円(2021年度月額)