厚生年金を増やす3つのポイント
ここまでのお話を踏まえ、厚生年金の受給額を増やす3つのポイントをまとめていきます。
① 給与水準を上げる
先述の通り、厚生年金の受給額は給与水準と加入期間に応じて変動します。給与水準を上げ、加入期間を少しでも長くすることが、受給額を増やすカギとなります。
② 繰下げ受給を検討する
年金額を増やす方法の1つに「繰下げ受給」が挙げられます。
繰下げ受給とは、老齢年金の受給開始の時期を遅らせ、その月数に応じて年金額を増やせる制度です。
最大で60カ月(※)まで遅らせることができ、1カ月当たり0.7%増額になります。
※2022年1月時点では、最大60カ月(=70歳まで)の繰下げ受給が可能です。なお、2022年4月以降は120カ月(=75歳まで)まで上限が引き上げられます。
③「学生納付特例制度利用者」なら追納も
国民年金の納付義務は20歳からです。とはいえ、大学生や大学院生・専門学校生など、成人してからも学生であることはめずらしくありません。
「学生納付特例制度」とは、申請することで在学中の保険料の納付が猶予される制度です。
「本人の所得が一定以下の学生」という制限はありますが、未納とは違い保険料猶予期間も受給資格期間に組み入れてもらえます。しかし、年金額には反映されないため、猶予期間分の保険料を追納しなければ満額受給はできません。
言い換えれば、あとから追納することによって、老齢基礎年金の年金額を増やすことが可能になります。
ここでの注意点は、学生納付特例期間の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納すると、承認を受けた当時の保険料額に一定の加算額が上乗せされます。
経済的に余裕がある場合は、早めの追納を検討してみましょう。