なぜ母親は「うちは貧乏」といったのか
当時、母親は専業主婦で、育ち盛りの子供二人を育てていました。
育ち盛りの男の子二人に、地方出身の母親が嫁いで都会に出てきて、「自分自身には足りていなかった」と考えていた教育を自分の子どもに与えたいと思ったそうです。
小学校に入る前後から、書道や水泳などのおけいこ事をはじめ、小学4年生以降は私立中学受験をするための毎月の進学塾の塾代、ときには講習代などの教育費が家計をかなり圧迫したといいます。
また、長期ローンで購入した、今と比べるとかなり高い金利での戸建ての住宅費用などもかさみ、年収は1000万円近くとは言いながらも、手取りの月給ほとんどのこらず、貯蓄ができなかったといいます。
実際、私立中学進学時にかかる費用の一部は祖父母のサポートもあったと明かしてくれました。
地頭がよい人は塾などに通わずとも、有名私立中学に合格する人もいますが、多くの人は塾に通って合格するという人が多いかと思います。
塾代がかかることを「課金ガチャ」と呼ぶこともありますが、合格するためにたくさん受講しなければならないケースもあります。
当時は、今ほど中学受験の熱量も高くなかったと思いますし、子供の携帯電話やスマホの費用も必要なかったでしょうから、現在の子育て費用を考えると、30年程前と比べるさらにかさんでいると容易に推測できます。