思考の違いのバリエーションと年収の関係
それでは、ここからどのような仕事に対する考え方の多様化、また思考の違いがあるのかについてみてみましょう。
違い(その1):仕事優先思考 vs. プライベート優先思考
若いころは、「自分の希望するキャリアを歩みたい」という人が多いのではないかと思います。
結果、若いうちは、プライベートよりも仕事を優先する人の割合も多くなると思います。
一方で、年齢を重ねてくると、仕事の重要性は理解できるけれども、家族と一緒にいられる時間を重視する人も増えてきます。
子育て世代では、育児にかかりきりとなり、どうしても十分な時間が取れずにいるという人も多いのではないでしょうか。仕事の時間が限定されれば、当然収入は減ります。
また、子育て世代ではなくても、自分の親が高齢になり、介護などが必要になれば、仕事にあてる時間も減るでしょう。
違い(その2):インプット思考 vs. アウトプット思考
若いうちは、「経験を積めるなら給料は安くてもいい」と考える人も多いのではないでしょうか。こうした状況は、どちらかといえば、インプットを重視するケースです。
一方、社会人になって、経験を積んでしまった後は、自分の腕を試したいと考える人も多いと思います。こちらは、アウトプットを重視するケースです。
もっとも、若い人がインプット思考で、ベテランがアウトプット思考というわけでも必ずしもありません。
最近面接している人の中で、40代でも「いま就いている職業の先が見えないので、新しいことに挑戦したい」という人も数多くいます。
年齢を重ねればアウトプット思考かと思われがちですが、自分の仕事を取り巻く環境が変われば、インプットもアウトプットも行ったり来たりしているのが現状ではないでしょうか。
違い(その3):ミクロ思考 vs. マクロ思考
一つのことに専念したいというのがミクロ思考、俯瞰して全体を観たいというのがマクロ思考です。
全社は現場で活躍しているイメージ、後者はマネージャーとして活躍しているイメージです。
いずれも、仕事というプロセスを動かそうとするといずれも必要な役割です。
一方、労働市場の需要と供給の関係から言えば、とりわけ、マネージャー層の需給がタイトです。
以前からも話はありますが、会社としては昇進していってほしい人材でも「目の前の仕事に専念したい」「今の仕事に満足している」「多くの人とかかわる責任のあるポジションにつきたくない」というような風潮もあります。
会社としては、マクロで仕事をとらえてほしいと思う一方、個人としてはミクロを突き詰めたいというギャップがあります。
結果、マネージャー層の需給がタイトとなり、マネージャーの年収が上昇し、供給が足りている仕事の給料が上昇しないということもあります。