また、既習内容があやふやな場合は、つまづいた学年や単元まで戻って復習をすることも大切です。「抜け」があると土台が強固にならず、学年が上がっていくとボロボロと壊れていきます。

自信と基礎学力の2つの柱がないと、壁にぶつかったときに乗り越えることが難しくなる。逆に、その2つがあれば着実に乗り越えて自分の能力を発揮できるようになる。分岐点となる学年を無事に過ごし、その後の飛躍につなげるには、心と学力のバランスがカギとなってきます。

高学年進級や中学進学に備えて

高学年になると算数では速さや道のり、割合といった算数嫌いの決定打になってしまう重要単元を学びます。さらに、教科化された英語や中学進学が待ち受けています。

ただし、子どもの成長や進路を考えるとき、「小4の壁」にあまりにもとらわれていると、先のことに意識が向かなくなってしまいます。また、子どもの成長は個人差があるので、全ての子に「小学4年=壁」が当てはまるとは限りません。日頃から自分の子どもがつまずき始めていないかを気にかけるほうが現実的です。

また、壁が出現した時に乗り越えられるよう日頃から地道に基礎学力をつけることはもちろんのことですが、子どもの好きなことや得意なことに理解を示すことも「つまづきやすい学年を飛躍する学年に」転じるためには不可欠な要素です。

「壁」と聞くとデメリットにしか思えませんが、違う見方をすれば子どもの成長を促すきっかけにもなります。親も身構えず、その時を心待ちにできるゆとりを持ちたいものですね。

中山 まち子