厚生年金の平均額「年間の男女差は約72万円」というリアル

会社員や公務員などのサラリーマンは、国民年金(老齢基礎年金)に加えて厚生年金を受け取ります。今回は、民間企業の会社員が受け取る厚生年金保険(第1号)の年金月額を、男女差に着目してみていきましょう。

厚生年金保険(第1号)平均年金月額

※国民年金(老齢基礎年金)の月額も含みます。

全体平均:14万4268円

  • 男子平均:16万4770円
  • 女子平均:10万3159円

平均額の男女差は、ひと月6万円

平均受給額をみると男女差が大きいことがわかります。その差は約6万円。年額にすると72万円になります。

受給額帯を詳しく見ていきましょう。男女の平均額は約14.4万円。ちなみに、この金額を基準に、「少なめ」年金額となる人の割合を見てみましょう。

いったん「15万円」で区切ってみてみると……。

厚生年金保険(第1号)の年金月額が「15万円未満」の人の割合は、男女全体の約54%(858万498人)ですね。
さらに、女性の受給額に着目すると「月10万円未満」が約91%。

厚生年金の場合、働いていたときに「収入に応じた」保険料を納付します。それが年金加入期間とともに老後の受取額を決めます。つまり、「現役時代の収入」が個人差を生むわけです。

女性の受給額が男性より低い傾向となるのは、家庭の事情で離職したり、仕事のペースダウンをしたりする人が多いからでしょう。

ただし、今見ているのは「現在のシニア世代」の受給額事情。平成・令和の現役世代は「稼ぐ女性」「共働き世帯」が増えていますので、この差は縮まっていくことも推測されます。

とはいえ、国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、男性の平均給与532万円に対して、女性は293万円。この現状を見ると、男女差が「ほぼ解消される」のは、まだまだ先になりそうです。