「ココイチ」のカレーはなぜ消費者に受け入れられ、店舗拡大ができたのか

カレーの原材料はなんといってもスパイス。そして複数のスパイスを組み合わせて味を調えていくのがカレーの醍醐味であります。

それらのスパイスの安定調達ルートを確保できなければ、カレーは提供できません。

スパイスは、産地の天候などによって、品質や収穫量が変わり、結果価格も変動することになります。

また、産地の政治情勢などは、調達する側から見れば大きく影響します。

したがって、カレーを消費者に提供する側からすると、調達先が確保できなければ定番メニューも準備できないですし、店舗拡大もできないということになります。

カレーでおなじみのハウス食品グループ本社は2015年12月に「ココイチ」を運営する壱番屋の株式を取得し、壱番屋を子会社化しました。

以前からハウス食品グループ本社は壱番屋の株式を保有していましたが、さらに買い増した格好となっています。

もともと資本関係にあった両社は、ハウス食品グループ本社から見れば壱番屋は「ココイチ」を展開するスパイスの「アプリケーション」であるカレー粉を活用した外食産業での重要な顧客であり、また、壱番屋から見れば重要なスパイスの調達先とみることができます。

この両者の組み合わせは、子供のころからハウス食品のカレールウで慣れ親しんできた消費者からすれば、いわゆる本格インド風カレーとは違った、極端な言い方をすれば、毎食でも食べられるような日本人に合うカレーを生み出すベストパートナーであった印象すらあります。