2021年の世相をあらわす「今年の漢字」に、「金」が選ばれたと公益財団法人 日本漢字能力検定協会より公表されまました(2021年12月13日公表)。
開催直前まで実施可否が議論された東京オリンピック・パラリンピックでは、日本人選手がオリンピックで史上最多の27個、パラリンピックで13個の金メダルを獲得。一方で、給付金についてはさまざまな議論があがったことなどが理由に挙げられました。
給付金については本当に困っている人のもとへ届いてほしいという声もある一方で、その実態が見えにくいという問題点もあるでしょう。
今回は40~50代の単身世帯、いわゆる「おひとりさま」に視点をあてて、その貯蓄額や老後の収支まで眺めていきます。その平均と中央値の差は数百万円以上にのぼりました。
40代・単身世帯の差は600万円以上
では金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」より、まずは40代単身世帯の方の貯蓄割合を確認しましょう。
40歳代・単身世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)
平均:666万円・中央値:40万円
- 金融資産非保有:35.5%
- 200万円未満:21.1%
- 200~400万円未満:7.9%
- 400~700万円未満:8.2%
- 700~1000万円未満:4.3%
- 1000~1500万円未満:5.5%
- 1500~2000万円未満:3.6%
- 2000~3000万円未満:2.5%
- 3000万円以上:5.7%
- 無回答:5.7%
40代・単身世帯の方で金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロ世帯の方は35.5%。半分以上が貯蓄0~200万円未満になります。
平均と中央値の差は約620万円。平均は一部の大きな数字に引っ張られやすく、より実態に近いといえるのは中央値になります。
この2つの差が600万円以上もひらいているということは、同じ「おひとりさま」でも格差があるということでしょう。半分以上が貯蓄200万円未満なのに対し、およそ1割は40代で貯蓄1500万円以上を保有しています。
40代といえば就職氷河期世代。非正規雇用で生活が厳しい方もいるでしょう。また、シングルマザーであれば子どもの教育費が最もかかる年代とも考えられます。