「サイベリアン」という猫の種類をご存じでしょうか?サイベリアンは「サイベリアン・フォレスト・キャット」とも言い、人気猫種の「ノルウェージャン・フォレスト・キャット」とも近縁の品種です。ノルウェージャン・フォレスト・キャットと同様、ふわふわの被毛が魅力です。

実は、サイベリアンは2021年2月22日にアニコム損保から公表された人気猫種ランキングで10位にランクインしており、猫好きの間では知る人ぞ知る品種でもあります。

今回はそんなサイベリアンにまつわる雑学をご紹介します。

サイベリアンが低アレルゲンと言われる理由

まず、サイベリアンは「低アレルゲン」「猫アレルギーになりにくい」と紹介されることが多いです。

猫アレルギーの原因物質であるFel d 1は猫の唾液や毛に含まれることが多く、ふわふわとした被毛をもつ長毛種であるサイベリアンが「低アレルゲン」と言われるのは一見ピンと来ないでしょう。

サイベリアンが「低アレルゲン」と言われるのは、サイベリアンの唾液に含まれるFel d 1が少ない傾向があり、その分泌量を更に減らす遺伝子変異を同定した、という結果が、トリノ大学の獣医学チームが執筆した論文” Polymorphism Analysis of Ch1 and Ch2 Genes in the Siberian Cat” にて示されたことを根拠としているようです。

とはいえ、該当論文でも「(当該論文で)同定された変異がアレルゲン合成の減少に関与しているかどうかを評価し、低レベルのアレルゲンを持つ猫を選択するためのマーカーとして使用できるかどうか、さらなる分析が推奨される。」と結論付けられており、サイベリアンを明確に「低アレルゲン」と言い切るには、今後の追加検証が必要になります。

つまり、現時点では「サイベリアンは猫のアレルゲン物質の分泌量が少ない」傾向はあるものの、「サイベリアンを飼うと猫アレルギーになりにくい」とは断言しづらいということです。「猫アレルギーにならない猫」に出会うのはまだまだ先ですね。