1.「資産運用」は簡単な基礎知識

資産運用の単元では、金融商品の例として預金や株式、債券、投資信託、保険などが挙げられており、簡単な商品の特徴とともに、安全性や収益性、流動性などについて説明されています。

基本的な知識ではありますが、家庭科の授業全体の中で金融教育に割ける時間に制約があることを考えると、学習の最初のステップとしては分かりやすくまとめられていると感じました。

2. 成人年齢引き下げを睨んだ消費者トラブルと契約の知識

消費生活の項目では、マルチ商法や振り込め詐欺など、さまざまな消費者トラブルに関する現状説明と合わせ、全国の消費生活センターに寄せられた消費者の相談内容についての記載があります。

また、2022年4月の成人年齢引き下げに関連付けて、契約は簡単にできても一方的な契約の解除はできないなど、契約に関する基礎的な知識と注意点がていねいに説明されています。

ポイント3. 具体的な数字でわかりやすい「家計管理」

非常に具体的で実践的だと感じたのが、家計管理。結婚や出産、子育て、教育費、住宅購入費など、「人生の主なできごとにかかる費用」として、具体的な金額が示されています。

また、社会人になったときを想定して、総務省の「家計調査」から、単身世帯(勤労者世帯)の収入と支出のデータも紹介されています。