2021年も、早いもので師走を迎えました。コロナ禍で迎える2度目の年末年始。みなさんはどう過ごされますか?

年末年始は、普段忙しい家族が久々に共通の時間を持てる時期、という世帯も多いでしょう。仕事やお金の話をじっくり煮詰めたい、という方もいるはず。「老後のお金」の話もその一つでしょう。

老後に必要となる資金には個人差があります。どのくらい準備しておけばよい、という正解はもちろんありません。とはいえ、貯蓄の目安をつかむためには、まず「老後の年金額」がどのくらいになりそうか、ぜひ知っておきたいところです。

そこで今回は、公的年金の受給額事情(※編集部注)のリアルを深掘りしていきます。いまの年金世代は、どのくらいの金額を受け取れているのでしょうか。

【※参考記事】「基礎年金と厚生年金」結局いくらもらえるの?

年金のしくみって、どうなっているの?

さいしょに日本の年金制度のしくみについて、簡単に触れておきます。次の図をご覧ください。

1階部分にあたる国民年金(基礎年金)は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務があります。国民年金保険料は全員一律で、保険料を納めた期間に応じて将来受け取る年金額が決まります。

※40年の全期間保険料を納付した場合に受け取れる国民年金の満額は月額約6.5万円です。

2階部分の厚生年金は会社員や公務員が国民年金に上乗せする形で加入します。

厚生年金の場合、現役時代に収入に応じた保険料を納め、それが年金加入期間とともに将来の受給額に反映されます。そのため、厚生年金の受給額は現役時代に高所得だった人の方が高くなる傾向にあります。

基礎年金(国民年金)はみんな「満額」もらえてる?

ここからは、今のシニア世代が国民年金をどのくらい受け取っているかを見ていきましょう。

厚生労働省年金局が公表した「令和元年(2019年)度厚生年金・国民年金事業年報」による国民年金の平均受給額は下記のとおりです。

国民年金(基礎年金)の平均月額:全体5万5946円

  • 男性:5万8866円
  • 女性:5万3699円

国民年金(基礎年金)の月額は、男女差はほとんどありません。男女ともに平均月額は5万円台ですね。満額受給できている人ばかりではない、ということも分かります。いずれにせよ、老後の生活費ひとり分をカバーするには心もとない金額であることは確かでしょう。

自営業・専業主婦(主夫)などで、将来受取る年金が「国民年金(基礎年金)のみ」になる方も多いでしょう。

公的年金以外の、個人年金やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などを活用し、自分で老後資金を作る準備を、できるだけ早めに検討していくとよさそうです。