「オミクロン株」が世界の株式相場を引き下げ

2021年12月3日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より276円20銭高の2万8029円57銭と、終値ベースで2万8000円台を回復しました。

先週は、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」による感染拡大のニュースが世界の株式相場を引き下げました。しかし、足元で急落したことから自律反発を期待した押し目買いも入りやすくなっていました。3日昼前に米議会上院が新たなつなぎ予算案を可決したと伝わると、日本株も買われる展開となっています。

今週の動きはどうなるでしょうか。3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比59ドル71セント安の3万4580ドル08セントで終えています。同日発表の11月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比21万人増と市場予想(55万人増)を大幅に下回りました。

米国でもオミクロン株の感染者が相次いで確認されていることから、経済活動の再開が遅れるとの見方が広がっています。また、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は量的緩和縮小ペースを加速させる方針です。週初日本株も上値の重い展開になるのではないかと考えられます。

足元の局面で難しいのは、米株が乱高下といえるくらいの激しい値動きになっていることです。ダウ平均は1日に461ドル以上下げ、10月4日以来の安値を付けた一方で、翌2日には617ドル高と今年最大の上げ幅を記録。3日は上述のように、約60ドル安となりました。

3日の東証1部の売買代金は概算で2兆9347億円と、商いは活況です。ボラティリティは高いですが、その分、チャンスも大きいと言えます。

相場の格言で、12月は「掉尾(とうび)の一振」とも言われます。感染状況は予断を許さないところですが、その中で株価が上昇している銘柄もあります。年末に向け、好業績の銘柄を中心に物色したいところです。