なお、10日には日銀の企業物価指数(11月)、11月の米財政収支、米CPI(消費者物価指数)も発表されます。足元での経済状況を確認する上で注目されます。

主要な移動平均線を割り込むが押し目買いも

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末26日には大きな陰線となり、25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線という主要な移動平均線を割り込んでしまいました。

先週は、これらを回復できるかどうかがポイントでした。実際には逆にこれらの移動平均線に上値を押さえられるような形でさらに下落してしまいました。ただ、週半ばから週末にかけては下げ渋っています。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。12月3日には一時2万7588円と、心理的節目である2万8000円を割り、やや心配されました。しかし、その後は長い下ヒゲを付けて反発し、陽線となっています。直近の安値である10月6日の安値(2万7293円)も割りませんでした。

中期的なトレンドを見ると、8月20日の安値(2万6954円)と、10月6日の安値(2万7293円)を結ぶ上昇トレンドとなっています。

先週末はちょうどこの上昇トレンドのチャネルの下限あたりで下げ止まって反発しました。その点では止まるべきところでしっかりと止まったという印象です。今週以降の上昇が期待できますが、上値メドは直近の戻り高値である11月16日の高値(2万9960円)および心理的節目となる3万円です。

現状は、25日線、75日線、200日線が2万9000円あたりに収れんしています。今週まずはこの移動平均線を上抜けできるかどうかが注目されますが、このあたりで上値が重いようであれば、しばらくもみ合うことも想定されます。

下原 一晃