人生100年時代の幕開け。

人々が健康に穏やかな暮らしをできるようになるほど、寿命は伸びていきますね。実は、戦続きの世であった安土桃山時代、日本人の平均寿命は35歳程度だったようです(※1)。

実際に日本人の平均寿命が大きく伸びたのは、戦後から。男女のそれぞれの平均寿命は、昭和22年(1947年)には50代前半でした。これが70代を超えるのは昭和50年(1975年)なのです(※2)。

ひと昔前であれば、老後の終盤ともいえる年齢が、いまでは「この先の楽しみ」が待つ円熟世代。70代以降の年金生活(※編集部注)は、できればゆったり安心して過ごしたいですよね。

そこで避けて通れないのが、「お金の問題」でしょう。

最近大ヒットの映画『老後の資金がありません!』のタイトル通り、老後の蓄えがない方も中にはいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、70代以上の方で「老後の資金がゼロ世帯」は何割なのか見ていきましょう。

【※参考記事】「基礎年金と厚生年金」結局いくらもらえるの?

70代以上世帯の貯蓄額「平均でいくら?」

さっそく、実際の70代世帯にはどれくらい貯蓄があるか見ていきます。

金融広報中央委員会が2021年2月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020)調査結果」によると

70歳代以上:金融資産保有額

(金融資産保有世帯)

  • 平均:2208万円
  • 中央値:1394万円

続いて、金融資産を保有していない世帯を含めた、この世代全体の数字を見てみましょう。

70歳代以上:金融資産保有額

(金融資産を保有していない世帯含む)

  • 平均:1786万円
  • 中央値:1000万円

金融資産非保有世帯(貯蓄のない世帯)を含めた、70代以上世帯全体の貯蓄額は、平均1786万円、中央値1000万円という結果になりました。平均は一部のお金持ちに引き上げられる傾向がありますので、ここでは実感に近い中央値がより参考となりそうです。